「苦しみの航海」-横田一等飛行兵曹の戦後-
「苦しみの航海」-横田一等飛行兵曹の戦後- 矢吹直彦 序章 生き恥を晒す… 大津島は、今日もうだるような暑さだった。 整備員といっしょに黙々と作業を続ける横田の顔にも首筋にも、汗が流れ落ちた。それどころか、着ている作業衣…
「苦しみの航海」-横田一等飛行兵曹の戦後- 矢吹直彦 序章 生き恥を晒す… 大津島は、今日もうだるような暑さだった。 整備員といっしょに黙々と作業を続ける横田の顔にも首筋にも、汗が流れ落ちた。それどころか、着ている作業衣…
架空戦記 イ号100潜水艦 原爆搭載艦ヲ撃沈セヨ! 矢吹直彦 序章 新型潜水艦誕生 「ほう、これが新型潜水艦ですか?」 海軍少佐の襟章を付けた小柄な男が、横須賀のドッグ内で、新造されたばかりのイ号型潜水艦を見上げていた。…
架空戦記 零戦改「白虎隊」戦記 矢吹直彦 序章 白虎隊誕生 「こちら、白虎一番!」 「敵B29一機、発見!直ちに、攻撃に入る!」 真っ赤な日の丸を付けた銀色の新型零戦4機編隊が太陽を背にして、高度7000mを悠々と飛行し…
「結城保博士の大東亜戦争」 矢吹直彦 序章 文学博士・結城保 私は、私立明誠大学で近代史を研究している結城保、62歳。 後3年で退官を迎えるロートルの学者だ。 大学では、文学部の学生に近代史の講義をしているが、歴史学科の…
「海軍中尉結城保のマリアナ沖決戦」 矢吹直彦 第一章 過去から来た男 「結城先生、編集者の方がお見えです…」 「はい、通して下さい…」 女性の落ち着いた声が、扉の向こうから聞こえてきた。 声の主は、青木裕子。 明誠大学文…
「分断の時代」にもの申す。 矢吹直彦 令和という新しい時代を迎えても、日本や世界は、相変わらず、先の見えない混沌とした社会の渦の中にいます。新型コロナウ…
架空戦記 若鷲の歌 -ああ回天特別攻撃隊- 矢吹直彦 第一章 回天戦、用意! 「回天戦用意!」 遂に来た。このひと月、この発令をどれほど待ち望んでいたか。 「よし、みんな、準備はいいな!」 「横田、新海、矢野、大丈夫か?…
右衛門七の小柄 -忠臣蔵外伝- 矢吹直彦 序章 東京は浅草の古い土蔵を壊していた時のことである。 今まで、何十年も入ったことのない二階の奥から古い文箱が出てきた。かなり年季の入った文箱で、おそらくは江戸時代中期の頃の物だ…
「予科練」の真実 ー大東亜戦争外伝ー 矢吹直彦 若い血潮の予科練の七つ釦は桜に錨 今日も飛ぶ飛ぶ霞ヶ浦にゃ でっかい希望の雲が湧く~ これは昭和18年に公開された映画、「…
架空戦記 大和民族の誇り Ⅱ プログラム№2「バトル・オブ・ブリテン・大和飛行隊」 矢吹直彦 第一章 日米首脳会談 昭和十七年一月末日、日米交渉が再開された。 それも場所は、ハワイオアフ島のホテルである。そのナショナル…